変形性股関節症は、股関節(こかんせつ)の関節が長年の使いすぎや加齢によってすり減り、痛みや動きの制限が生じる病気です。股関節は、脚の骨(大腿骨)と骨盤の骨が接する場所にあります。これらの骨同士がスムーズに動くように、軟骨というクッションが関節を覆っているのですが、加齢や負荷がかかりすぎることで、この軟骨がすり減ってしまいます。
軟骨がすり減ると、骨同士が直接こすれ合うようになり、痛みや炎症が起きます。股関節の動きが悪くなり、歩いたり立ち上がったりするのが難しくなることがあります。初期の段階では、長時間歩いたときや体重をかけたときに痛みを感じることが多いですが、進行すると安静時でも痛みが続くことがあります。
臼蓋形成不全症は、股関節の一部である「臼蓋(きゅうがい)」という部分がうまく発達していない状態を指します。臼蓋は、骨盤側にある「お椀」のような形をした部分のことです。大腿骨の丸い部分(大腿骨頭)を包み込んで支える役割をします。この臼蓋が浅いと、大腿骨頭がしっかりと支えられず、股関節に負担がかかりやすくなります。
臼蓋形成不全があると、股関節にかかる圧力が偏りやすく、その結果、軟骨がすり減りやすくなり、痛みや動きの制限が起こることがあります。長い年月をかけて症状が悪化し、変形性股関節症に進行することもあります。
この状態は先天的に(生まれつき)発生することが多く、特に女性に多いと言われています。症状としては、股関節の痛みや違和感、歩行時の不安定さなどが見られることがあります。進行すると歩くのが難しくなる場合もあります。
先天性股関節脱臼は、生まれたときから赤ちゃんの股関節が正常な位置に収まっていない状態を指します。股関節は、大腿骨の丸い部分が骨盤の「臼蓋(きゅうがい)」と呼ばれる部分にぴったりとはまって動く構造ですが、先天性股関節脱臼では、この大腿骨の先端が臼蓋から外れてしまっている、または外れやすい状態にあります。
治療は早期に行うことが非常に重要で、適切な治療が行われれば股関節の正常な発育が促され、問題なく成長できます。ただし、治療が遅れると、股関節の変形や痛み、歩行障害などのリスクが高まる可能性があります。
大腿骨頭壊死症は、股関節にある大腿骨(太ももの骨)先端の丸い部分(大腿骨頭)が、血流不足により壊死(えし)、つまり骨が死んでしまう病気です。大腿骨頭は、股関節で骨盤に接続しており、通常は血液が流れて栄養が供給されていますが、何らかの原因で血流が途絶えると、その部分の骨が弱くなり、最終的に崩れてしまうことがあります。
原因は血流不足が主となりますが、なぜ血流が悪くなるのかははっきりと分かっていません。アルコールの多飲、ステロイド薬の長期使用、外傷、自己免疫疾患などがリスク要因として知られています。初期の段階では、痛みがあまりないこともありますが、病気が進行すると股関節に強い痛みが現れます。痛みは歩いたり、股関節を動かしたときに特に強くなり、進行すると安静時にも痛むことがあります。また、股関節の動きが制限され、歩行や日常生活の動作が難しくなることもあります。
リウマチ性股関節炎は、免疫システムが誤って自分の体の関節を攻撃する「関節リウマチ」によって、股関節が炎症を起こす病気です。通常、免疫は体を守るために働きますが、リウマチでは股関節を含む複数の関節が攻撃され、炎症が起こり、痛みや腫れが生じます。
リウマチ性股関節炎では、股関節に痛みやこわばりを感じることが特徴です。特に朝、起きたときに股関節が動きにくくなり、時間が経つと徐々に動かせるようになるという「朝のこわばり」がよく見られます。また、進行すると股関節の動きや痛みが悪くなることで、歩くのが難しくなったり、関節の形が変わってくることもあります。