人工関節センターの特長

当センターは、特に膝関節や股関節の人工関節置換手術において高い専門性を誇っております。
経験豊富な整形外科医チームが、最新の技術と知識を駆使して手術を行い、患者の生活の質を向上させることを目指しています。

最先端の技術や医療機器を導入し、人工関節手術をより正確に行うことに努めています。

最小侵襲手術、オーダーメイドの手術器具、手術支援ロボットなどを使用し、インプラントの設置や手術時の切開が非常に精密に行われるため、術後の回復がスムーズであり、手術の成功率も向上します。

医師、看護師、理学療法士、麻酔科医などが一体となって、患者様に最適な医療を提供します。

患者様へのケアが手術前から手術後まで一貫して提供されるので、治療に関する不安や疑問に対しても丁寧に対応するため、患者様は手術後も安心して回復に専念できます。

最小侵襲手術(MIS:Minimally Invasive Surgery)

最小侵襲手術=MIS(エム・アイ・エス)とは、筋肉や軟部組織(皮膚等)への負担をできるだけ最小限にする手術手技のことです。例えば、膝関節手術の一般的な手術方法では15cmから20cmもの大きな皮膚切開を行い、筋肉を大きく切り開きながら骨に達して、人工膝関節のインプラントを設置しています。患者様の関節の変形の程度にもよりますが、MIS手術手技は、8cm~12cm程度の皮膚切開で従来と同じ人工膝関節の手術ができる方法です。
当センターでは、MISの手術手技を用いた人工関節置換術を取り入れ、皮膚切開をできるだけ小さくすることで、痛みの軽減や術後リハビリの早期開始、早期退院、そして早期社会復帰を目指しています。

MISの特長

  1. 手術後の傷跡が小さくなります
  2. 手術直後の痛みが軽減されます
  3. 術後リハビリテーションが早く行うことができ、入院期間が短くなります

オーダーメイドの手術器具
(PSI:Patient-Specific Instrumentation)

当センターでは、患者一人ひとりの膝関節の形状に合わせた「オーダーメイドの手術器具(PSI)」を導入しています。このPSIにより、より精密な人工膝関節置換の手術が可能になります。
PSIは、まずMRIやCTスキャンなどで患者の膝の3D画像を作成します。そのデータを基に、手術で使用する特別なガイドや器具を設計し、人工膝関節の設置場所や角度を正確に決定できるようになります。これにより、従来の方法よりも正確に膝関節を置換でき、患者ごとの骨の形状や動きに適した結果が得られやすくなります。

PSIを使うメリット

  1. 手術の精度向上:個々の膝の状態に合わせた器具を使用するため、人工関節を理想的な位置に設置できます
  2. 手術時間の短縮:事前に設計された器具を使うことで、手術の進行がスムーズになり、時間が短縮されます
  3. 回復の早期化:手術の精度が高まることで、術後の回復が早くなることが期待されます

人工関節手術支援ロボット(ROSA Knee システム)

当センターでは、人工関節置換の手術を支援するために開発されたロボット支援システム(ROSA Kneeシステム)を導入しております。ROSAは「Robotic Surgical Assistant(ロボティック・サージカル・アシスタント)」の略で、医師が手術をより正確に行うためにサポートする役割を果たします。このシステムは、人工関節手術の際に使われ、手術の精度を向上させ、患者一人ひとりの膝に合わせた最適な治療を行うことが可能です。

ROSA Kneeシステムの特長

1.高精度なナビゲーション

ROSA Kneeは、手術中にリアルタイムで膝の状態を三次元で表示し、医師が関節をどの角度で切るか、人工関節をどこに配置するかを支援します。これにより、インプラントの設置が正確になり、長期的に良好な手術成績を得ることが期待できます。

2.個別化された治療

手術前に患者様の骨・関節の形状や状態をスキャンし、そのデータを基に手術計画を立てます。ROSAは、医師が患者様ごとの骨・関節に最適な手術プランをするための情報を数値化し、医師が個別にカスタマイズされた手術方法を提供する支援をします。

3.手術中の微調整が可能

手術中、ROSAは関節の動きや状態をセンサーでリアルタイムに数値化し、医師が人工関節を設置する際に微調整を行う支援をします。これにより、手術中に起こりうる誤差を最小限に抑え、患者様の骨と人工関節のフィット感や安定性を高めます。

4.安全性の向上

ロボット支援により、医師の手術技術がより正確になり、手術中のリスクや合併症を減らすことが期待されます。また、ROSAは医師が全ての操作をコントロールするため、自動で動作するわけではなく、あくまでサポートツールとして機能します。

ROSA Kneeシステムは、従来の手術方法よりもさらに正確で患者様にやさしい人工関節置換術を提供するために導入された手術支援技術です。

患者支援ツールアプリ(マイモビリティ mymobility)

当センターでは、人工関節手術を受ける患者様向けに提供されるスマートフォンアプリを導入しています。このアプリは、手術の前後にわたって、患者様のリハビリや術後の経過観察をサポートするためのものです。
この利用に関しては、患者様の希望に合わせて利用するか、しないかを決めます。アプリの利用について、ご質問がありましたら院内スタッフにお問い合わせください。

マイモビリティの特長

1.個別にカスタマイズされたサポート

アプリは、患者様の状況に合わせたリハビリの指示やアドバイスを提供します。患者様が自宅でできる運動やケアの方法が分かりやすく説明されており、自分のペースで進められます。

2.手術前から手術後までの一貫したケア

手術前に準備するべきことや、手術後に注意すべきポイントがアプリを通じて学ことができます。これにより、患者様はどのタイミングで何をすれば良いのかを把握しやすく、安心してリハビリに取り組むことができます。

マイモビリティのメリット

自宅でのリハビリが効率的にできる

手術後の回復をサポートするプログラムがスマートフォンで確認できるため、計画的にリハビリを進めることができます。

進捗が見える化

日々の運動や活動状況が記録されるため、リハビリの成果を目に見えて確認でき、モチベーションを保ちやすくなります。

マイモビリティは、人工関節手術を受けた患者様の術後回復をサポートし、スムーズなリハビリを助けるための便利なツールです。

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