放射線科
診療科概要
放射線科では、CT、MRI、超音波(エコー)検査をはじめとする各種画像検査を担当し、各診療科と密接に連携しながら、質の高い画像診断と安全な検査の提供に努めています。
当院は二次救急医療機関として24時間365日体制で救急患者さんを受け入れており、放射線科も救急医療を支える重要な役割を担っています。脳卒中、心血管疾患、外傷、急性腹症などの緊急性の高い疾患に対して迅速に画像検査を実施し、早期診断と適切な治療方針の決定に貢献しています。
また、各診療科からの依頼に基づき、CTやMRIなどの画像検査を行うとともに、専門医による画像診断報告書を作成し、診療に有用な情報を提供しています。画像所見を的確に評価することで、診断精度の向上と患者さん一人ひとりに最適な医療の実現を支えています。
さらに、地域の医療機関からの検査依頼にも対応しており、各種画像検査を実施しています。
CTおよびMRI検査については、1週間以内に画像診断報告書を作成し、依頼元の医療機関へ診断情報を提供することで、地域医療機関との連携強化に努めています。患者さんに安心して検査を受けていただけるよう、安全管理の徹底と検査品質の向上に継続して取り組むとともに、最新の知見を積極的に取り入れながら、地域医療と救急医療に貢献してまいります。
インナービジョンより取材を受けました
救急車年間1万台を受け入れる民間病院で急性期医療の診断に80列CTを活用医療機器・設備
苑田第一病院 放射線科では、最先端のテクノロジーを搭載した画像診断機器を導入しています。患者様の身体への負担(被ばく線量、検査時間、精神的ストレス)を最小限に抑えつつ、微細な病変も見逃さない精密な画像診断を提供し、迅速な治療へとつなげています。
1.5T(テスラ)超電導MRI装置「ECHELON Synergy」(富士フイルム社製)
環境に優しく、AI技術で「速く・静かに・高画質」を実現した最新鋭1.5T MRI当院では、富士フイルム社製の最新テクノロジーを結集した1.5T超電導MRI装置(ゼロヘリウム・最新Synergyシステム搭載モデル)を導入しています。
特徴と強み
- ゼロヘリウム(ヘリウムフリー)技術
- 医療用ヘリウムの国際的な供給不足に対応した、地球環境に優しい最新のマグネット技術を採用しています。液体ヘリウムを使用しないため、万が一の災害時などの安全性も飛躍的に向上しています。
- Synergy Drive(高速撮像・自動化技術)
- AI技術(ディープラーニング)を活用した高速撮像技術や、検査のオペレーションを自動化・最適化する機能を搭載。画質を一切妥協することなく、検査時間を大幅に短縮し、患者様がじっとしている負担を軽減します。
- 患者様の快適性を追求(静音&ワイドボア)
- MRI特有の激しい打撃音を大幅に低減する静音化技術を採用。さらに開口部(ボア)が広く設計されているため、従来の「狭くて暗い」という閉塞感が緩和され、閉所恐怖症気味の方でもリラックスして受診いただけます。
主な対象疾患
- 脳神経領域(初期の脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍などの早期発見)
- 整形外科領域(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、関節の靭帯・半月板損傷など)
- 腹部・骨盤腔(肝臓・胆のう・膵臓の病変、前立腺がん、子宮・卵巣疾患など
マルチスライスCT装置 【2台体制】(キヤノンメディカルシステムズ社製)
最上位320列「INSIGHT Edition」× 最新80列「Aquilion Serve」による、24時間・待たせない高精度診断当院では、キヤノンメディカルシステムズ社製の最新鋭CT装置を2台導入し、フル稼働できる体制を整えています。これにより、救急患者様への即座の対応と、通常検査のスムーズな運行を高いレベルで両立しています。
1 320列マルチスライスCT「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」
- 超高速撮影
- 1回転(0.27秒)で160mmの範囲を同時に撮影できる「320列ワイドディテクター」を搭載。心臓や脳などの臓器全体を、わずか0.275秒(1回転)で一瞬にして撮影可能です。心拍数の速い患者様でも、お薬で心拍を下げることなく正確な心臓CTが撮影できます。
- 圧倒的な被ばく低減(ディープラーニングAI)
- 最新のディープラーニング(深層学習)を応用した画像再構成技術を搭載。画質を極限まで高めながら、被ばく線量を最大で約90%低減(※従来比・部位による)し、身体への負担を最小限に抑えます。
2 80列マルチスライスCT「Aquilion Serve」
- AI技術による検査の効率化と低被ばく
- ディープラーニングを用いて開発された画像再構成技術「PIQE(Precise IQ Engine 」を搭載。少ないX線量でもノイズを抑えたクリアな画像を提供します。
- スムーズな検査で待ち時間を短縮
- 最新の自動化技術により、患者様のポジショニング(位置合わせ)や撮影準備が迅速に行えるため、検査室に入ってから出るまでの時間が短縮され、患者様の負担を軽減します。
主な対象疾患(CT全体)
- 心臓領域(狭心症や心筋梗塞の原因となる冠動脈の狭窄・プラークの評価)
- 脳血管領域(急性期脳卒中の早期診断、脳動脈瘤のスクリーニング)
- 全身の早期がんの発見、急性腹症、救急外傷における迅速な全身スクリーニング
超音波(エコー)診断装置「Aplio i800」(キヤノンメディカルシステムズ社製)
卓越した空間分解能で、微細な病変を捉える最高峰の超音波(エコー)診断装置キヤノンメディカルシステムズ社の最高峰(プレミアムクラス)超音波診断装置「Aplio i800(アプリオ 800)」を導入します。
特徴と強み
- 圧倒的な高解像度(i-Beam技術)
- 超音波の送信ビームを極限まで細く絞り込むことで、これまでにない極めてシャープで細微な画像を描出します。数ミリ単位の微小な病変や組織の構造変化を明瞭に捉えることができます。
- 超高精細な血流表示(SMI技術)
- 従来のカラードプラ法では捉えきれなかった、腫瘍内の微細な微小血管や低速の血流を、造影剤を使用せずに鮮明に可視化(SMI:Superb Micro-vascular Imaging)します。
- 組織の硬さを評価(エラストグラフィ)
- 腫瘍などの「組織の硬さ」をリアルタイムに計測・数値化・カラー表示することが可能です。良性・悪性の鑑別診断に非常に高い効果を発揮します。
主な対象部位
- 腹部臓器(肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓、消化管)
- 表在臓器(乳腺、甲状腺)
- 血管領域(頸動脈プラークの評価、下肢深部静脈血栓症の診断)
当院の放射線科では、地域の先生方からの検査依頼(CT、MRI、超音波検査)に柔軟かつ迅速に対応しております。
- 320列CTによる心臓冠動脈解析や、Aplio i800による精密エコー、高画質1.5T MRIにより、診断の難しい症例にも確かな画像データを提供いたします。
- 経験豊富なスタッフ(診療放射線技師)が撮影を行い、専門医による迅速な読影レポートとともに結果をお戻しいたします。
血管撮影装置(アンギオ装置)「Artis Zee SX BA」2台(シーメンス社製)
バイプレーンシステム2台体制による、圧倒的な緊急対応力と安全性の両立当院では、一刻を争う脳血管・心血管疾患のカテーテル治療(インターベンション)に迅速かつ確実に対応するため、シーメンス社製の最新鋭バイプレーン型血管撮影装置「Artis Zee SX BA」を2台完備しています。
特徴と強み
- 2方向同時撮影(バイプレーン)による時間短縮
- 正面と側面の2方向から同時にX線撮影を行えるため、1回の造影剤注入で複雑な血管構造を立体的に捉えることができます。これにより、1分1秒を争う急性期医療において、検査および治療時間を大幅に短縮します。
- 造影剤と被ばく線量の低減
- 2方向同時撮影により造影剤の使用量を最小限に抑えられるため、患者様の腎臓への負担を軽減します。また、シーメンス社独自の優れた線量制御技術により、高画質を維持しながら患者様と医療スタッフの被ばく線量を極限まで抑えています。
- 万全の2台フル稼働体制
- 急性心筋梗塞や急性期脳卒中(血栓回収療法など)の患者様が同時に搬送されてきた場合や、予定手術の進行中に緊急案件が重なった場合でも、2台のアンギオ室が並行して稼働することで、タイムロスなく即座に治療を開始できる体制を整えています。
主な対象治療
- 脳神経外科領域
- 脳動脈瘤コイル塞栓術、急性期脳血栓回収療法、頸動脈ステント留置術(CAS)など
- 循環器内科領域
- 経皮的冠動脈形成術(PCI:狭心症や心筋梗塞へのステント留置)、不整脈に対するカテーテルアブレーション治療など
ハイブリッド手術室(Hybrid OR)「Artis Q TA」搭載(シーメンス社製)
最上位大容量X線管を搭載した「Artis Q TA」による、高度低侵襲治療の実現当院では、高度に清潔化された手術室環境内に、シーメンス社製のプレミアム血管撮影装置「Artis Q TA」を組み込んだ最新のハイブリッド手術室(Hybrid OR)を新設・完備いたしました。
特徴と強み
- 新世代X線管による圧倒的な高画質と低線量
- 「Artis Q TA」に搭載された最先端のGIGALIX(ギガリクス)X線管により、微細な血管構造やカテーテル・ステントのデバイスを、極めて高いコントラストと解像度でリアルタイムに描出します。同時に、大幅な被ばく低減も達成しています。
- カテーテル治療と外科手術のシームレスな融合
- 同一の部屋で「カテーテルによる血管内治療」と「開胸・開腹などの外科的手術」を、患者様を移動させることなく連続して行うことができます。
- 緊急時の高い安全性
- カテーテル治療中に万が一、予期せぬ事態(血管穿孔など)が発生した場合でも、別の手術室へ搬送するタイムロスを一切無くし、その場ですぐに外科的開創手術へと切り替えることができるため、極めて安全性の高い医療を提供できます。
- 高度な3Dナビゲーション
- 術中に高精細な3次元(3D)画像を撮影・確認しながら手術を進められるため、切開範囲を最小限に抑えた「身体に優しい(低侵襲)」高度な複合手術を可能にしています。
主な対象治療・手術
- ステントグラフト内挿術(胸部・腹部大動脈瘤に対するカテーテル治療)
- 脳神経外科領域における高度な複合ハイブリッド手術
- 整形外科領域の高度な脊椎固定術・ナビゲーション手術など
当院は、320列CTや1.5T MRIによる迅速な超急性期診断に加え、「Artis Zee SX BA(バイプレーン)2台」および「Artis Q TA搭載ハイブリッド手術室」をフル活用し、脳血管障害・心血管障害などの循環器系急性期疾患に対し、24時間365日、高度な血管内治療と外科的手術をシームレスに提供できる体制を確立しております。
一刻を争う重症患者様のご紹介、緊急搬送の受け入れ要請にも、放射線科スタッフ(診療放射線技師)および臨床各科が強固に連携し、最善のトリアージと迅速な治療体制でお応えいたします。
検査実績
| 検査項目 | 2023年(R5) | 2024年(R6) | 2025年(R7) |
|---|---|---|---|
| 一般撮影 | 20,604 件 | 23,360 件 | 25,034 件 |
| 透視検査 | 1,358 件 | 1,335 件 | 1,339 件 |
| CT | 25,192 件 | 26,143 件 | 25,608 件 |
| MRI | 3,481 件 | 3,040 件 | 4,529 件 |
| DSA (血管連続撮影) | 719 件 | 769 件 | 723 件 |
| マンモグラフィ (MG) | 558 件 | 502 件 | 477 件 |
| 超音波(血管) | 2,697 件 | 2,662 件 | 2,702 件 |
| 超音波(腹部) | 2,755 件 | 3,149 件 | 3,521 件 |
| 総件数 | 57,364 件 | 60,960 件 | 63,933 件 |
MRI検査は2025年に装置を更新し、大幅に検査数は増加しています。
超音波検査も年々、検査数は増加しています。
医師紹介
画像診断は常勤医師1名、非常勤医師4名による読影体制で行っており、CT、MRI検査などで得られた画像を専門的な視点から評価し、画像診断報告書を作成しています。
菊地奈央
| 専門・得意分野 | 放射線診断 |
|---|---|
| 資格・所属学会 | 日本専門医機構認定 放射線専門医 日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医 日本核医学会 専門医 PET核医学認定医 マンモグラフィ検診精度管理中央委員会認定医師 肺がんCT検診認定機構認定医 |
技師紹介
放射線技師とは
診療放射線技師(Radiological Technologist)とは、医師や歯科医師の指示のもとで、放射線を用いた検査や治療を行う医療技術専門職(国家資格)です。
現代医療において、病気の早期発見や正確な診断、そしてがん治療に欠かせない「医療画像」と「放射線治療」のスペシャリストです。
画像診断・検査業務
患者さんの体内の状態を画像化し、医師が正しい診断を下せるようにします。
- 一般撮影(レントゲン):胸部や腹部、骨折の有無などを調べるためにX線を照射して撮影します。
- CT検査(コンピュータ断層撮影):体の周囲からX線をあて、コンピュータ処理によって体の断面(輪切り)画像を撮影します。
- MRI検査(磁気共鳴画像):※厳密には放射線ではありませんが、強い磁石と電波を使って、体内の詳細な断面画像を撮影します。
- 超音波検査(エコー):超音波を使って、腹部臓器や心臓、血管などの動的な状態をリアルタイムで検査します。
- マンモグラフィ(乳房X線撮影):乳がんの早期発見のための専用の撮影です。
- 血管造影(アンギオグラフィ):カテーテルと呼ばれる細い管を血管に通し、造影剤を使って血管の走行や詰まりを検査・治療します。
放射線管理・安全対策
- 患者さんが受ける医療被ばくを必要最小限(ALARAの原則)に抑えるためのコントロールをします。
- 病院内の放射線使用区域の安全管理や、装置が正しく動作しているかの品質管理(QC/QA)と行います。
当院の放射線科は、365日24時間、全ての検査に対応しています。
夜間でも、日中と同様の検査を提供することをモットーとしています。