ニューロモデュレーションセンター

リハビリテーションの効果を高める最新治療

旧来のリハビリテーションは、いったん失われた機能は元に戻らないことを前提にしていました。
しかし、医療の進歩につれ、脳には変化が起き、回復することが明らかになってきています。この回復メカニズムに基づいた新しいリハビリテーションを「ニューロリハビリテーション」と呼び、近年注目を集めています。
当院では、このニューロリハビリテーションを集中的に行うことで機能回復に努めています。

センターの特長

当院のニューロリハビリテーションは、経頭蓋磁気刺激装置を中心にバーチャルリアリティー装置や電気刺激装置など、さまざまな先進的ニューロリハビリテーション機器を取り入れております。主に、脳卒中や脊椎疾患に伴う運動麻痺・痛み・高次脳機能障害の回復促進を目的に使用されています。

このような先進機器を取り入れたニューロリハビリテーションを、回復期リハビリテーション病院で実施できる所は数少ないです。当院は常に治療効果の最大化に繋げられるように努めます。

経頭蓋磁気刺激療法と末梢磁気刺激療法

経頭蓋磁気刺激では、大脳皮質運動野直上にコイルを置いて大脳皮質運動野を刺激することによって、刺激反対側の手足に運動を誘発することができます。

また、末梢磁気刺激では、最も回復させたい運動機能に必要な筋の筋腹を直接に刺激することによって、目的とする運動を誘発することができます。当院では、集中的なリハビリテーションにこのような磁気刺激を組み込んでいます。

当院では、特定臨床研究(JRCTs032200125):脳卒中後運動麻痺のリハビリテーションにおいて経頭蓋磁気刺激と末梢磁気刺激を併用する効果についての3群ランダム化比較試験(研究責任医師:山本隆充)を施行しています。

バーチャルリアリティー装置を用いたリハビリテーション

VRとして知られているバーチャルリアリティの技術をリハビリテーション医療として導入しております。

治療方針と方法

  • 経頭蓋磁気刺激と電気刺激の併用
  • 経頭蓋磁気刺激とバーチャルリアリティー装置の併用
  • 末梢磁気刺激療法

対象とする主な病気

  • 脳血管障害に伴う運動麻痺
  • 脳血管疾患に伴う高次脳機能障害(失語症や半側空間無視など)
  • 脊椎疾患に伴う運動麻痺
  • 脳血管疾患・脊椎疾患に伴う痛み

主な訓練方法

HANDS療法

患者様自身が行う動きを正しい方向に動くように電気刺激装置がお手伝いをし、目的とする動きを獲得していく方法です。

課題指向型訓練

患者様の最適な課題を提供し、その課題の問題解決を通して合目的な脳機能の再構築を目指していく方法です。

ミラーセラピー

ミラーボックスの中に両手を入れていただき、非麻痺側の手を麻痺手に重なるように鏡に映し、非麻痺手を動かすことで、視覚的に麻痺手が動いているような錯覚を誘導する方法です。

両側運動訓練

両上肢で同じ運動を行う方法です。

自主トレーニング

個々に最適な自主トレが実施できるように方法・内容・頻度が記載されたシートをファイリングして渡します。

設備について

  • 経頭蓋磁気刺激装置:磁器刺激装置マグプロシステムR30(Tonica Elektronik社製)
  • 電気刺激装置:WILMO(ウィルモ)WI-1.0
  • バーチャルリアリティー装置:Oculus Quest

磁気刺激療法 診療開始までの流れ

1.適応基準の確認
入院後、磁気刺激療法の適応基準を満たしているか確認されます。
2.専門医師の診察
磁気刺激療法の適応があると判断され,施行希望があれば専門医師の診察を受けて頂きます。
3.検査の実施
運動麻痺の状態など、必要な検査を実施します。
4.治療開始
問題がなければ磁気刺激療法を開始します。

ページ上部へ